迷走神経反射とは?貧血とは違う?

貧血?、迷走神経反射?

頭に血がいかない!

めまい、失神、冷や汗などの症状があらわれたときに、貧血を疑う人は多いでしょう。

 

そして、詳細の症状やそれが起きた状況などから、原因を調べたり、人から教えてもらったり、診察を受けたりします。

 

その結果、貧血とは似てるけど違う、こんな聞きなれない言葉を聞くことになった人も多いはずです。

 

  • 迷走神経反射(めいそうしんけいはんしゃ)
  • 血管迷走神経反射(けっかんめいそうしんけいはんしゃ)

 

長くて聞きなれない言葉なので、とても難しいことのように感じてしまいますね。

 

簡単に言えば、
強いストレスやショックから、自律神経のバランスを崩し、一時的に血圧や心拍数が低下して貧血によく似た症状を起こすものです。

 

一般的な範囲で「貧血」と表現される場合もありますが、本来の貧血とは異なるもので、対処法も変わってきます。

迷走神経とは?

迷走神経の言葉の意味

そもそも迷走神経(めいそうしんけい)とは何なのでしょう?

 

簡単に言うと、12対ある脳神経のうちの第10対です。
脳神経のなかで唯一、腹部にまで到達するほど広く広がっていて、末梢の分布が複雑だったために「迷走」と名付けられたとも言われています。

 

wikipediaより引用

迷走神経(めいそうしんけい、英:Vagus nerve、羅:Nervus vagus)は、12対ある脳神経の一つであり、第X脳神経とも呼ばれる。頸部と胸部内臓、一部は腹部内臓に分布する。

wikipediaより引用

迷走神経は脳神経の中で唯一腹部にまで到達する神経である。迷走神経の「Vagus」とは中世のラテン語で、放浪している事を意味する。

 

迷走神経の機能

感覚、運動、副交感神経としての働きを持ち、生命を維持するための大切な役割があります。

 

食べ物の飲み込み、声を出す行為、胃腸を動かすことのほか、心拍数の調整にも関与します。
そのほかにも発汗調整・その他のいろいろな機能があります。

迷走神経反射とは?

電車の中で起こること

身体的・精神的なストレス、ショック、過労、痛み、空腹、恐怖などが理由で起こります。

内臓疾患や排泄など、そのほかの理由で起こることもあります。

 

ストレスがあり緊張したとき、それに対応できるようにするために交感神経が心拍数や血圧をあげます。
ですが、あまりに過度な場合は、今度はそれを抑えるために迷走神経(副交感神経)を介して逆の動きが行われます。
その結果、心拍数や血圧が低下するのが迷走神経反射(血管迷走神経反射)です。

 

迷走神経は自律神経のうちの副交感神経と大きな関わりがありますが、迷走神経反射とは自律神経のバランスを崩している状態です。

 

特に高齢者に多く起こりますが、若い人でも200人に1人以上は起こると言われています。

 

よくあるケースでは、長時間立ったままの朝礼、通勤通学中の電車、注射の針を見たとき、強い痛みから、などがあります。
当サイトの貧血体験談でも、電車のなかで初めて迷走神経反射を経験したという方が大勢います。

 

めまいやふらつきを感じたり、失神してしまうと、「貧血」と言われることがよくあります。
大雑把な表現で「貧血」と言われるわけですが、ストレスが原因と思われるケースの大半は、本来の貧血ではなく迷走神経反射となります。

 

血圧や心拍数が低下しているために、頭に十分は血液が送れなくなっている状態です。

 

迷走神経反射と貧血はどう違う?

貧血は血液の異常、迷走神経反射は自律神経の働き

貧血とは「血」が「貧」しいと書きますが、鉄分不足や病気などによって赤血球が不足している状態をあらわします。
赤血球が不足すると、体中に酸素をうまく運べず、体中が酸素不足の状態となります。

 

酸素不足なので身体のあちこちに症状が出ますが、頭にも酸素がいかないために、めまい・ふらつき・失神などの症状も起こることがあります。

 

一方、迷走神経反射は血液に問題はありません。
先述したように、ストレスやショックが原因で、血圧や心拍数が低下し、そのため頭に十分な血液が送れなくなる状態です。

 

頭に血液が送れなくなっているために、やはりめまい・ふらつき・失神などの症状が起こりえます。

 

症状としては貧血ととても似ていて、迷走神経反射は「脳貧血」でもありますが、狭義の意味の貧血とは原因が異なるものです。

 

貧血は血液の異常、迷走神経反射は自律神経の働きです。

 

区別の方法は?

症状が起こったタイミングが、強いストレス下であれば迷走神経反射の確率が高くはなります。

 

ですが、一番良いのは一度、病院を受診することです。
血液検査をすれば、赤血球が不足してるかどうかは分かります。

 

また、直接的な原因は迷走神経反射だったとしても、赤血球も不足している可能性や、迷走神経反射ではなく他の病気が原因での失神ということもあります。
失神してしまうほどのことがあった場合には、一度、病院で受診するようしましょう。

 

迷走神経反射が起こる原因は?

迷走神経反射が起こる状況は様々です。

 

特に多いと感じられるのは、以下のような状況です。

  • 睡眠不足、あるいは疲労した状態で満員電車に乗っているとき
  • 陣痛、生理痛、腹痛など痛みが続いたとき
  • 注射をするとき、鋭利なものを見たとき

 

当サイトに投稿された貧血体験談でも、電車の中で初めて倒れたという体験談、生理痛のときによく倒れるという体験談は多くあります。

 

注射の針に関しては、とがったものや刃物から恐怖感を感じることが原因のようです。
献血のときに注射の針から、迷走神経反射を起こすこともよくあるそうです。

 

そのほか、以下のような状況でも起こります。

  • 人込みによったとき
  • 長時間起立していたとき
  • 激しい運動をしたとき
  • 排便、排尿時
  • 恐怖を感じたとき、情緒不安定なとき
  • 過労、脱水、空腹、飲酒、驚いたとき、怒ったとき、起立したとき

 

全体的に、心身のストレス・ショックが主な原因といえますが、
睡眠薬の服用が原因となっている場合や、内臓疾患などの病気が原因のこともあります。

迷走神経反射による症状は?

失神

多くの方が気にする症状は失神です。
3人に2人程度は、失神する数十秒〜数分前に以下のような予兆が現れます。
逆に前兆のみで失神には至らないことも多くあります。

 

失神前の予兆

  • ふらふら、めまい、立っているのがつらい
  • 冷や汗
  • 視界がぼやける
  • 頭痛、吐き気
  • 熱感、寒気
  • 虚脱感

 

意識を失うのは、数十秒〜5分程度で、失神後はすぐに回復するのが通常です。
失神中にけいれんすることもあります。
稀に心肺停止することもあります。
失神のうち20%は迷走神経反射によるものと言われています。

 

失神以外の症状

  • ふらふら、めまい、立っているのがつらい
  • 冷や汗
  • 視界がぼやける
  • 目の前が真っ暗になる
  • 頭痛、吐き気
  • 熱感、寒気
  • 腹部の不快
  • 虚脱感
  • 顔面蒼白
  • あくび
  • 瞳孔拡大
  • 落ち着きがなくなる、強い不安

迷走神経反射にはどう対応すれば良い?

失神してしまった後の対応

ストレス・ショック・恐怖があったと思われる場合、その原因となる行為を中止します。
その後、横になって頭より足の方が高くなるような姿勢で休みます。
横になると、頭に血液が送られるようになるため、通常は短時間、数十秒〜数分で回復します。

 

転倒したときに怪我をしてしまえば、その治療も必要となりますし、入浴中に失神してしまうと溺死の危険性もあります。
繰り返し失神しているような人は、注意した方が良いでしょう。

 

ただし、失神したからと言って迷走神経反射と決めつけるのは危険です。
他の病気等が原因となっていることもあるため、失神してしまうようなことがあったときには一度病院で診察を受けましょう。

 

診察を受ける場合にありがちな問題が、休むと回復してしまい、診断を受けるときには正常になっているということです。
受診時には異常がないので精神的なものではないかと言われてしまうこともあるようです。
ですが、40分程度の詳細な問診を行うことで、おおよそ診断できるそうですので、医師・病院に相談してみましょう。

 

失神しそうになったときの対応

前兆を感じたときは可能な状態であれば、横になって寝るのが理想的です。
寝ている状態だと、脳の血流が減らないため失神しません。
そうでないときも、、転倒した場合の怪我を最小限にするため、出来るだけ低い姿勢を取ります。

 

両手の指を組んで強く握り、腕や足に力を入れることによって失神を防げることもあります。

 

注射をするときに倒れてしまう人は、事前に医師・看護師にその旨を伝えましょう。
横になった状態で採血をしてもらうことが可能です。

 

元気ハツラツ!

迷走神経反射への日常的な対応

 

1日に2リットルの水分摂取を心がけ、塩分も十分に摂取するようにします。
※塩分の過剰摂取は別の面で健康に悪いので注意が必要です。

 

また、心が関係している場合は、必要以上に気にしすぎないことで改善されることもあります。

 

血圧を下げる薬、利尿剤、睡眠薬を服用している場合は薬が影響している可能性もありますので、医師に相談してみましょう。

 

上記のような対策を続けても改善しなければ、薬物療法による治療もあります。

 

日常的にストレスを感じているようであれば、そのストレスを軽減する方法を考えてみましょう。
容易にそれが出来ない場合は、意識的にリラックスできる時間帯を作ると少しは良いですよ。